会社法の成立に伴う「有限会社」の取扱


 会社法施行に伴い、有限会社という会社はなくなります。現在ある有限会社は、株式会社として存続することになります。当然、新しく『有限会社』を作ることはできなくなります。

    ■有限→株式■
                                                                   【株主総会議事録】     【定款】        具体的な手続
                                 


(1)『特例有限会社』として存続

   メリット=費用を掛けなくて済みます。

 整備法の施行により有限会社という会社類型はなくなり,施行日に現にある有限会社は,株式会社とし て存続することになります。この会社を「特例有限会社」といいます。
 この場合は、なにもしなくてもかまいません。登記も必要はありません。名称は、『有限会社』を名乗らなければなりません。

 なお,整備法の規定により,「有限会社の定款」, 「社員」 , 「持分」及び「出資1口」は,それぞれ「株式会社の定款」,「株主」,「株式」及び「1株」とされ,有限会社の資本の総額を出資1口の金額で除した数が株式会社の発行可能株式総数及び発行済株式の総数となります。

 これにかかる,必要な登記は,登記官が職権で行うこととしています。 (整備法第136条第16項)。

※発行可能株式総数及び発行済株式の総数の例
  施行目前  資本の総額 (3百万円),出資1口の金額 (1干円 )

  施行日後  資本金の額 (3百万円),発行可能株式総数(3千株),発行済株式の総数(3千株)


【整備法】
第二節有限会社法の廃止に伴う経過措置
第一款 旧有限会社の存続

第二条 前条第三号の規定による廃止前の有限会社法(以下「有限会社法」という。)の規定による有限会社であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限会社」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この節の定めるところにより、会社法 (平成十七年法律第 号)の規定による株式会社として存続するものとする。
2 前項の場合においては、旧有限会社の定款、社員、持分及び出資一口を、それぞれ同項の規定により存続する株式会社の定款、株主、株式及び一株とみなす。
3 第一項の規定により存続する株式会社の施行日における発行可能株式総数及び発行済株式の総数は、同項の旧有限会社の資本の総額を当該田有限会社の出資一口の金額で除して得た数とする。

第二款 経過措置及び特例有限会社に関する会社法の特則
( 商号に関する特則 )
第三条 前条第一項の規定により存続する株式会社は、会社法第六条第二項の規定にかかわらず、その商号中に有限会社という文字を用いなければならない。
2 前項の規定によりその商号中に有限会社という文字を用いる前条第一項の規定により存続する株式会社(以下「特例有限会社」という。)は、その商号中に特例有限会社である株式会社以外の株式会社、合名会社、合資会社文は合同会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
3 特例有限会社である株式会社以外の株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社は、特例有限会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
4 前二項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者は、百万円以下の過料に処する。



(2)『株式会社』に名称を変更


  整備法の施行後 , 特例有限会社から通常の株式会社に移行するためには,商号の変更
                         
                     ○○有限会社
                         
                     ○○株式会社

 についての定款の変更を株主総会において決議し,株式会社の設立の登記の申請と特例有限会社の解散の登記の申請を 行う必要があります。

 ●株式会社として会社は存続することになりますが、
    ・定款の変更
    ・解散の登記
    ・設立の登記

    を行なうことになりますので、費用が発生します。
  登録免許税は、資本金をそのままですと、
                    解散の登記 3万円
                    設立の登記 3万円
              合計 6万円の登録免許税となります。
  
 (商号変更前の特例有限会社の資本金額を超過する部分については、1000分の7となりますが、それが3万円に満たない場合は3万円となります。なお、100円未満の端数は切り捨てます。)


【整備法】
第三款 商号変更による通常の株式会社への移行
(株式会社への商号変更)
第四十五条 特例有限会社は第三条第一項の規定にかかわらず、定款を変更してその商号中に株式会社という文字を用いる商号の変更をすることができる。
2 前項の規定による定款の変更は、次条の登記 (本店の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。
(特例有限会社の通常の株式会社への移行の登記 )
第四十六条 特例有限会社が前条第1項の規定による定款の変更をする株式会社の決議をしたときは、その本店の所在地においては三週間以内に、当該特例有限会社については解散の登記をし、同項の商号の変更後の株式会社については設立の登記をしなければならない。


   この際、株式会社へ変更を希望される場合はご相談下さい。
                            


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