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遺言

人間であれば誰しもが関係する遺言と相続についてお話します。私たちの仕事の中でも、非常に多いのが相続に関することなのです。そして、その時つくづく思うのは、遺言さえ残しておいてくれたならば兄弟が仲違いになることもなかったのに、という感想なのです。

お年寄りだけが関心を持つ内容だ、とは考えないで下さい。相続についての基本的な知識はいたるところで必要になります。テレビドラマを見るときなど、あらあらでも知っていることで面白さは倍になります。
それよりも大事なことは、ご自身の相続はどうなるのか知っておくことで、人生設計は大きく変わることにもなりかねません。

兄弟姉妹が仲がよければ、問題になることもなく遺産の分割や放棄が行われることでしょう。しかし世の中、うまく行かないことも多いのです。

西欧諸国では、古くから遺言の制度が発達し、誰しもが遺言を残してこの世を去るのは当然のこととして行われてきました。

しかし、日本では昔から一部の階級を除き遺言は一般的ではありませんでした。家督相続だったからです。戦後、50年以上も経ち、私たちの考え方が大きく変化してきました。これからさらに変化して行くことでしょう。経済環境も厳しさを増しています。親が必至に築き上げてきた財産を、子をはじめ各相続人が、当然の権利とばかりに奪い合いになるかもしれません。

こんな話を聞いたことがあります。小さい頃は仲のよかった兄弟でした。親も友人に子供自慢をして、可愛がっていました。子供たちは大きくなり、長男は商売を始めました。やがて放漫経営がたたり資金繰りに困り果ててしまった。病気で入院中の親のところのに来て親の住んでいた土地、建物を、お金を借りるために担保に入れさせてくれ、としつこくせまったとのことです。


親は、失意のまま息を引き取りました。その後、葬儀が終わり兄弟だけになってしまい、やがて長男のとった態度を責める弟と長男の取っ組み合いの喧嘩がはじまった、ということです。

その後は、醜い争いになったのは言うまでもありません。親が遺言さえ残しておいてくれたら、と思ったことでしょう。

遺言とは、「生と死のかけはし」となるものです。ご自分が生きているうちに、自らの意志を死後にも生きたものとして存続させることができるのは、遺言をおいてほかにはありえないのです。






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