合同会社の設立 『日本版LLC』

 株式会社=「物的会社」
               資本(金や設備)を用いて業務を行い、利益を上げる組織
 合同会社=「人的会社」
                とも言われます。
 合同会社に参加する人や組織(株式会社等も社員となることができます。)が持っている知識や技術などが寄り集まって、目的の業務を行うことができることから「人的会社」とも呼ばれます。

 近年アメリカで生まれたLLC(Limited Liability Company:有限責任会社)を
モデルにできました。

アメリカのLLC 日本の合同会社
出資者の有限責任 出資者の有限責任
法人税と構成員課税選択できる 法人課税
内部の機関や損益配分が柔軟に決められる 内部の機関や損益配分が柔軟に決められる

 アメリカのLLCは、特に構成員課税が導入されていますので、設立が急激に増えてきています。構成員課税とは、会社そのものに法人税が課税されずに、個人であれば、この会社から個人が得た所得をその他の所得を合算して申告し、それに対して所得税がかかるという仕組みです。株式会社がLLCの構成員になっていれば、その株式会社が上げた所得となるということです。
(構成員課税が日本でとられているのは、LLPです。しかし、法人格は認められていません。)

その他の特徴として


1.法人格を持つことができる 2.出資は金銭出資と財産出資に限られる

3.一人でも設立できる     4.設立時の法定費用(6万円)が安い


 本来の合同会社のいい所は、資本のある株式会社等と、特殊な技術や能力がある個人または中小会社が参加して、新技術や新しい分野の仕事を共同で行い、そこから得た利益は、株式会社のように出資に応じた比例配分とするのではなく、自由に取り分を決められる、というものであるのですが、今後どのように活用されていくのかは、実例をみていかなくてはなりません。

 いまのところ、積極的に活用されると考えられるのは、これまでの「有限会社」にかわる法人としての位置付けになるのではないでしょうか。
                         

 
新しく事業を始めるときは、あれこれとお金がかかるものです。
それまで勤めていた会社を辞めて、独立するような場合のことを考えて見ましょう。

  
建設業を例にしましょう。
  建設業をはじめる場合は、その業種により建設業の許可を取得する必要があります。個人事業として始めてもできますが、個人の場合は、その個人が何らかの理由でいなくなると、それでお終いです。

 法人格を持っている会社の最大の特徴は永続性があるということです。現代社会では、取引は法人に限っている所も少なくありません。取引の安全性ということを考慮すると、個人を相手の商売はしないということです。
 
 建設業の許可はどのようになっているか。個人で許可を取ることはできますが、途中で法人にしてしまうと、個人として取った許可を捨てて、新たに法人で取得しなくてはなりません。それまでの投資が無駄になります。

 最初から、法人にして建設業の許可を取るのが、営業上も近い将来のことを視野に入れても、合理的なのです。かといって、事業は小さく始めて大きく育てるのが鉄則ですから、最初から株式会社にすると費用がかさみます。

 株式会社を設立する場合は、自分ですべてやるとしても、実費で30万円は費用がかかります。しかし、合同会社は僅か6万円で済むのです。もちろん、会社が発展して株式会社にしたいときでも、組織変更として可能です。

 建設業の許可も、組織変更ということになれば、今までの許可はそのまま一定の手続さえ行えば継続できます。

 世にたくさんの許認可がありますが、個人で免許を取得しておいて、それが法人にしてもそのまま免許を維持できるケースは、ないことはないのですが極めてマレです。例えば、宅建業は私も持っていますが、許可番号は 石狩(1)第6919号 です。宅建業は5年毎の更新ですが、(1)というのは、まだ一度も更新していないことを意味します。

 長年やっているところ、例えば(7)となっているのは7度更新したことを意味しますので、35年は継続しているということです。長年やっている所は、それだけ信用があるという意味にも受取られます。個人で長年やってきて、信用を培ってきたのに、規模が拡大しても簡単には株式会社には変更できなくなってしまいます。

 あるいは、介護事業を始める場合、個人では支援費の対象にならないようなこともあり、最初から法人にしなければ事業が開始できないものもあります。

 以上から、できるだけ費用を抑えて法人にする場合には、合同会社の設立が最善だというのがお分かりいただけたと思います。

特徴

  ★自分でやれば【6万円】で作ることができる。
  
  ★将来、株式会社へ組織変更が可能
  
    ■初期投資を安く会社を作りたい■
                          場合の最適な選択です。


 
 新会社法により新たに誕生しました。合同会社、別称で日本版LLCとも呼ばれます。従来は、出資と経営がひとつとなったいわゆる「人的会社」には、合名会社と合資会社がありましたが、どちらも会社の債務に対して無限責任を負う無限責任社員の存在が不可欠であることから経営者
のリスク面での不安がありました。

 会社法でできた合同会社『日本版LLC』は、出資者たる経営者は出資額
を限度とする有限責任となります。

■合同会社とは
 合同会社『日本版LLC』とは、出資者の全員が有限責任社員でありながら株式会社のような機関設計(株主総会や取締役、監査役などを会社の機関という。)や株主の権利の規定がありません。総社員の同意に基づいて会社の定款変更や会社の意思決定ができるなど迅速な会社運営が可能であり、最初に事業を始めるのに適した会社組織です。

■有限責任
 持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の中でも合同会社は、出資社員の全員が有限責任社員となります。
 実際の運営面では、有限責任、無限責任というのはあまり意味を持ちません。なぜならば、法人が金融機関に融資を受ける場合、必ず、その代表者の個人保障を求めますので、その意味では有限責任とは言え、実質は無限と同様になるのが、株式会社をはじめどのような場合も変わりません。
 ですから、有限、無限責任がどうのこうのは、一般的な面ではあまり関係がないと考えてください。

■定款の自治
 定款は、総社員の同意で自由に決められます。株式会社に比べても広く定款自治が認められています。合同会社では、出資者の意思決定や業務執行は総社員の同意で行うことができます。定款で決めることによおり利益の配当を出資比率によおらず、別の基準での利益配当を行うこともできます。

■組織変更が可能
 有限責任事業組合(日本版LLP)とは、内部関係が組合的な規律となることは共通していますが、有限責任事業組合はあくまで組合であり会社ではありません。このため、法人であることのさまざまなメリットは合同会社だけが受けられることになります。
 株式会社へ組織変更も可能です。ちなみに組合からの変更は不可です。


 合同会社と株式会社の違い

項  目 合同会社 株式会社 備         考
出資者 社 員 株 主 一人も可能
名  称 ○○合同会社 ○○株式会社 後先どちらでも可能
代 表 代表社員 代表取締役 株式は一人でも代表と称すること可
定 款 認証不要 認証要す 公証役場での費用は約10万円
業務執行 職務執行者 取締役 人数は任意
組織変更 可能 可能 株式への変更可能
登録免許税 6万円 15万円 出資が大きい場合は別規定あり


          
           
 
                        



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 法務局設立説明  申請書PDF 
株式会社&各種法人設立 株式会社、NPO、LLP、LLC、農事組合法人