交通事故・損害賠償請求  自賠責保険請求、任意保険請求、賠償額算定


           後遺障害(部位別)の等級認定

                                               ■等級認定と法的な取扱い■
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■ 部位別障害等級一覧表       
■ 眼の障害 ■ 耳の障害
■ 鼻の障害 ■ 口の障害
■ 醜状障害 ■ 神経系統の機能又は精神障害
■ 内臓及び生殖器障害 ■ 躯幹及び長管骨
■ 上肢の障害 ■ 手指の障害
■ 下肢の障害 ■ 足指の障害

■後遺障害の認定


 自賠法上、後遺障害とは(施行令2条1項2号)
 「傷害が治つたとき身体に存する障害をいう」と定義されています。

■認定手続

 後遺障害とは、言い方をかえると、ある期間治癒に専念しても完全に元に戻らない状態をいいます。後遺障害の認定は、症状固定(これ以上治療しても回復しない状態)を待たなければいけません。一般には半年(6ヶ月)を経過しないと認められません。

1.担当医師により症状固定の判断がなされます。
2.医師に後遺障害診断書を書いてもらいます。
3.損害料率算出機構により、後遺障害の判断をしてもらいます。
  a.事前認定
    任意一括の場合で、加害者側の保険会社が、代行して事務手続きを進めてくれます。
  b.被害者請求
    被害者が、自身で直接、損害料率算出機構に認定手続きを行う方法です。
  c.加害者請求
    加害者が、被害者に賠償を支払った後に、加害者請求として行うもの
 (※加害者側に、任意保険がない場合は、被害者又は加害者請求しか方法はありません。)
4.結果が通知されます。
5.非該当や認定結果に不服の場合は、異議申立の制度が利用できます。


 以下の一覧表は、障害の部位別に整理したものです

【部位別障害等級一覧表】

●自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)より 別表第一及び別表第二
後遺障害別等級表
(最終改正:平成18.3.31政139)
  

※自賠責施行令の別表は従来ひとつだけでしたが、平成13年に介護を要する後遺障害の保険金額を増額させ
ることとなり、その結果別表1と2の2本立てとなりました。

障害の部位 後遺障害 等  級
 眼
 の
 障
 害
視力障害












両眼が失明したもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
両眼の視力が0.02以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
両眼の視力が0.06以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
両眼の視力が0.1以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
両眼の視力が0.6以下になったもの

1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
1眼の視力が0.06以下になったもの
1眼の視力が0.1以下になったもの
1眼の視力が0.6以下になったもの
1級の1
2 の1
2 の2
3 の1
4 の1
5 の1
6 の1
7 の1
9 の1


8 の1
9 の2
10の1
13の1
眼 球
障 害
正面を見た場合に複視の症状を残す
正面以外を見た場合に複視の症状を残す
両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害
1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害
10 の2
13 の2
11 の1
12 の1
視 野
障 害
両眼に半盲症,視野狭窄,又は視野変状
1眼に半盲嵐視野狭窄,又は視野変状
9 の3
13 の3
まぶた
の障害
両眼のまぶたに著しい欠損
両眼のまぶたに著しい運動障害
1眼のまぶたに著しい欠損
1限のまぶたに著しい運動障害
両眼のまぶたに一部欠損又はまつげはげ
1眼のまぶたに一部欠損又はまつげはげ
9 の4
11 の2
11 の3
12 の2
13 の4
14 の1
 耳
 の
 障
 害
(両耳)








(一耳)
両耳の聴力全失
両耳の聴力接耳大声可能
1耳の聴力全失,他耳の聴力40cm以上で普通話声不能
両耳の聴か10cm以上で普通話声不能
1耳の聴力全失,他耳の聴力1m以上で普通話声不能
伺耳の聴力1m以上で普通話声不能
1耳の聴力接耳大声可能,他耳の聴力1m以上で普通
話声困難
両耳の聴力1m以上で普通話声困難
両耳の聴力1m以上で小声不能


1耳の聴力全失
1耳の聴力接耳大声可能
1耳の聴力40cm以上で普通話声不能
1耳の耳殻の大部分を欠損
1耳の聴力1m以上で小声不能
4 の3
6 の3
6 の4
7 の2
7 の3
9 の7
9 の8

10 の5
11 の5

9 の9
10 の6
11 の6
12 の4
14 の3
鼻の障害 鼻を欠損し,その機能に著しい障害 9 の5



咀嚼及び言語 咀嚼及び言語の機能を廃す
咀嚼又はは言語の機能を廃す
咀嚼及び言語の機能に著しい障害
咀嚼又は言語の機能に著しい障害
咀嚼及び言語の機能に障害
咀嚼又は言語の機能に障害
1 の2
3 の2
4 の2
6 の2
9 の6

10 の3
歯牙 14歯以上に対し歯科補綴
10歯以上に対し歯科補綴
7歯以上に対し歯科補綴
5歯以上に対し歯科補綴
3歯以上に対し歯科補綴
10 の4
11 の4
12 の3
13 の5
14 の2




女子の外貌に著しい醜状
男子の外貌に著しい醜状
女子の外貌に醜状
男子の外貌に醜状
7 の12
12 の14
12 の15
14 の10
上下肢 上肢の露出面こてのひら大の醜痕
下肢の露出面にてのひら大の醜痕
14 の4
14 の5
神経系統の
機能
又は
精神障害
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し終身労務就労不能
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し特に軽易な労務以外就労不能
神経系統の機能又は精神に障害を残し軽易な労務以外不能
神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することのできる
 労務が相当程度制限
局部に頑固な神経症状を残す
局部に神経症状を残す
1 の1

2 の1

3 の3

5 の2

7 の4
9 の10

12 の13
14 の9
内臓
及び
生殖器
障害
胸腹部臓器に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
胸腹部臓器に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
胸腹部臓器に著しい機能障害,終身労務不能
胸腹部臓器に著しい機能障拡特に軽易な労務以外就労不能
胸腹部臓器の機能障害,軽易な労務以外就労不能
胸腹部臓器の機能障害,服することができる労務が相当程度制限
胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障がある
胸腹部臓器の機能に障害を残す
両側の摩丸を失ったもの
生殖器に著しい障害を残す
1 の2
2 の2

3 の4
5 の3

7 の5
9 の11

11 の10

13 の11
7 の13
9 の16
躯幹及び長官骨 脊柱に著しい変形又は運動障害を残す
脊柱に運動障害を残す
脊柱に変形を残す
鎖骨,胸骨,肋骨,肩胛骨又は骨盤骨に著しい変形を残す
長管骨に変形を残す
6 の5
8 の2
11 の7
12 の5

12 の8
上肢の障害 両上肢を肘関節以上で失う
両上肢を手関節以上で失う
1上肢を肘関節以上で失う
1上肢を手関節以上で失う
1上肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残す
1上肢に偽関節を残す
両上肢の用を全廃
1上肢の用を全廃
1上肢の3大関節中の2関節の用廃
1上肢の3大関節中の1関節の用廃
1上肢の3大関節中の1関節の著しい機能障害
1上肢の3大関節中の]関節の機能障害
1 の3
2 の3
4 の4
5 の4
7 の9
8 の8
1 の4
5 の6
6 の6
8 の6
10 の10

12 の6
手指の障害 両手の手指の全部を失ったもの
1手の5つの指又は母指を含む4指失
1手の母指を含み3指失又は母指以外の4指失
1手の母指を含み2指失又は母指以外の3指失
1手の母指失又は母指以外の2指失
1手の示指,中指又は薬指失
1手の小指失
1手の母指の指骨の一部失
1手の母指以外の指の指骨の一部失
両手の手指の全部の用廃
1手の5指又は母指を含む4指の用廃
1手の母指を含む3指の用廃又は母指以外の4指の用廃
1手の母指を含み2指の用廃又は母指以外の3指の用廃
1手の母指又は母指以外2指用廃
手の示指,中指又は薬指の用廃
1手の小指の用廃
1手の母指以外の指の遠位指節間関節屈伸不能
3 の5
6 の8
7 の6
8 の3
9 の12
11 の8
12 の9
13 の7
14 の6
4 の6
7 の7
8 の4
9 の13

10 の7
12 の10
13 の6
14 の7
下肢の障害 両下肢を勝関節以上で失う
両下肢を足関節以上で失う
両足をリスフラン関節以上で失う
1下肢を膝関節以上で失う
1下肢を足関節以上で失う
1足をリスフラン関節以上で失う
1下肢を5糎以上短縮
1下肢を3糎以上短縮
1下肢を1糎以上短縮
1下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残す
1下肢に偽関節を残す
両下肢の用を全廃
1下肢の用を全廃
1下肢3大関節中の2関節の用廃
1下肢3大関節中の1関節の用廃
1下肢3大関節中の1関節の著しい機能障害
1下肢3大関節中の1関節の機能障害
1 の5
2 の4
4 の7
4 の5
5 の5
7 の8
8 の5
10 の8
13 の8
7 の10
8 の9
1 の6
5 の7

6 の7
8 の7
10 の11
12 の7
足指の障害 両足の足指の全部を失ったもの
1足の足指の全部を失ったもの
1足の第1指を含み2以上の足指失
1足の第1指又は他の4指失
1足の第2指失,第2指を含む2指失,第3指以下の3指失
1足の第3指以下1又は2指失
両足の足指の全部の用廃
1足の足指の全部の用廃
1足の第1指を含み2以上の足指の用廃
1足の第1足指又は他の4足指の用廃
1足の第2指川廃,第2指を含む2指用廃第3指以下3指
 用廃
1足の第3指以下の1又は2指の用廃
5 の8
8 の10
9 の14
10 の9
12 の11
13 の9
7 の11
9 の15
11 の9
12 の12
13 の10

14 の8
 
  部位別に整理すると以上のようになります。
 人間の身体は、非常に複雑にできていいるため、上記の表の中には含まれていない障害もありますが、そのような場合は、さらに詳細な認定基準を見なければ判断がつかない場合もあります。
 
 要するに、この中に入っていない障害の場合でも、あきらめずに専門家に相談するようにしてください。

■後遺障害認定の法的な取扱い

 交通事故損害賠償の裁判例をみると、損害料率算出機構の後遺障害認定は、「非該当」とされているケースでも、12級あるいは14級相当として判決されることがあります。
 また逆に、機構の認定等級よりも低く評価されて判決されることもあります。

 障害認定基準は、法律ではなく「自動車損害賠償保障法施行令」という行政通達であることから、基準そのものが法的な根拠をもつものではない。

 しかしながら、自賠責保険の支払はケースごとにばらつきがあってはならないのであり、公平・適正なものが要求されています。統一的な判断が求められることになります。

 従がって実務上は、機構の認定結果に基づき、損害賠償の支払額を決定し、最終的な支払手続を行っています。加害者側に任意保険が付保されていて、任意一括で処理されている事案においても、後遺障害の認定結果というものが非常に大きな意味を有しているのです。

 損害賠償の金額を決めるのは、後遺障害がどのように認定されるかにすべてがかかっている、といっても過言ではありません。                                                    
  
                                        
                              

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